スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:--】 | スポンサー広告 |
プレイヤードールEX / 多聞カイトの困惑
 すいませんまたSNSにのせられないブツをもってきました。前日の「セシル支倉アカイトの憂鬱」の誠死ねタラシ野郎視点のブツです。
 当然R-18です。



「プレイヤードールEX / 多聞カイトの困惑」


 アカイトのために用意された予備義体を見て、「あー、相変わらずですねー」といつも同様の感想を持った。
 ちょっと他人をからかうために全力をつくす、それがアッシュのクオリティだからだ。
 案の定、アカイトは呆れて凹んでいる。
「ところでこの後どうしますか?」
「池袋に戻るけど?」
 あの店のマスター(オーナーは別にいるらしい。意味が違うとはいえ今は亡き支倉神父以外の人物を「マスター」とは呼びたくないアカイトは、彼のことを「おいちゃん」と呼んでいる)が何日か留守にするので、店にいないといけないらしい。
「まずくないですか、今の貴方が」
 アカイトの本体AIが入っている今の身体は、正直言ってかなり魅力的だ。彼の面影を残した可愛らしい顔立ちと細身でバランスのいいプロポーションは、大抵の男たちの目を惹くだろう。
 そんな彼が、日常的に非合法なストリートファイトが行われ5分に一度は強盗事件が発生する(実情はもっとひどいらしい)池袋を歩いていたらどうなることか。
「でもまー、そういう輩はボコってけばいいわけだしー」
 しかし腕におぼえのある彼は、余裕の表情だ。
「あ、その身体ね、パワーレベルは普通の生身の子並だから」
 ちょ、アッシュ! 冗談にしてはタチが悪いですよ!
「今、仕事が入ってきていないし、私がついていましょうか」
 思わず、そう口を挟んでしまった。
「そうだね、オトコがついていた方が余計な虫が寄ってこないよねっ」
 リンも頷いている。

 早く完了しても一週間…その間、私が同居するということを渋りながらもアカイトは納得した。
 こうして二人で歩いていると、その判断が正解だったと実感する。
 彼…というか彼女に対して向けられる無遠慮で不愉快な視線に辟易しつつ、不逞の輩を思いっきり睨みつけてやった。
「もう少しこっちに寄った方がいいと思います」
 そう言って「彼女」の身体を引き寄せると、向けられる視線に嫉妬めいたものが加わった。ほんの少し優越感を感じる。
 抱き寄せたアカイトは、困惑し若干身を固くしているものの、素直に私に守られていてくれるようだ。少し不安げな表情がかわいらしい。

 しかし、アカイトは何をこんなに構えてしまっているのだろうか。確かに以前、思うところあって押し倒してみたことはあったけれど…それにしても、女の子の身体になっただけでここまで警戒されるとは。
 そりゃあ、私は女性に手が早いと言われてますけどね。マスターにも呆れられて放任されてますけどね(このへんは、かつて彼の恋人であったアリージャの影響もあるようです。好みの女性と出会うと節操なく寝てしまう彼女は、最終的にはいつもマスターのもとへと帰ってきていたので許されていたわけで)。
 ここまで大げさにびくつかれると、かえってちょっかいを出してからかいたくなるというものですよ。
「Commodo permissum mihi pallens , quod tribuo vox…」
 何かお祈りしているし。

 アカイトは早速開店準備をしている。
「こういう、留守番みたいなことってよくあるんですか」
「ああ。おいちゃん、オーナーに別口の用事を頼まれることがよくあるから。その間は適当にやってるんだよ。どうせこの店、オーナーの税金対策のための店だから、適当に赤字にしておけばいいんだ」
 なるほど。どうやって経営が成り立っているんだろうと思っていましたが、成り立たなくてもよかったんですね。余程ひどいことにならない限りはいいということなのでしょう。
 バーテンダーの仕事用の服を取り出したのでおや、と思う間もなくアカイトは何の躊躇いもなくブラウスとスカートを脱いでしまった。
「何」
「いえ…あまりにも堂々と着替えているので、ちょっとどうしたものかと思ったものですから」
 言われて今の自分の姿に気付いたらしい。先刻もスカートを穿いていることを忘れてパンツが見えてしまうような座り方をしていたし、元々男だから仕方がないんですけどね。
「やっぱり危なっかしいですね。無防備すぎますよ」
 近づくと、やっぱり身構える。何でこうまで。
 普段は第二ボタンまで開けているシャツのボタンを止めてやると、ほっとした表情を見せた。信用されてませんねえ。
「ほら、さっさと着ちゃって下さい。ボタンはちゃんと上まで止めるんですよ」
「あ、ああ…」
 元々の彼の身長が180センチ近くあったのに対し、今の彼女は160センチそこそこといったところか。だから、服がぶかぶかになっている。余った袖と裾を捲り上げているのですが、これはかわいいですね!
「ぶかぶかの服というのも可愛いですが、いっそのことエプロンドレスとかどうです? メイド服とか」
「ウチの店はキャバクラじゃねぇ」
 冗談を口にしたら、本気で嫌そうな反応がかえってきた。
「ところで、顔なじみのお客さんが来ちゃったらどうするんです」
「妹だとかなんとか、言っておくさ」

 カウンターの隅の席に座っていると、何かの液体の入ったグラスが置かれた。
「ほら。何も無いと不自然だろ」
「有り難うございます…って、何です、これ?」
「内蔵部品用の洗浄剤」
 って、なんちゅうモンをよこすんですか! 確かに主成分はエタノール(酒精)ですけどね。私たちが飲食しても後で取り出して廃棄することになるんだから勿体無いのはわかるんですけどね。
「そういえば、いつ頃からここにいるんです」
「かれこれもう10年くらいになるかな。前にいたところの関係者の紹介でこの店にきたんだよ」
「前にいたところって」
「歌舞伎町の売春窟。女の子のカウンセラーやってた」
 これは意外すぎる経歴だ。
「ええと…ちょっと、意外ですね。貴方はそういう職業を否定していると思っていたので」
「うん。正直、そんなことすべきじゃないとは思うけどさ、現状と理想の差ってのはあるだろ。だったら、少しはああいったところにいる娘の力になれたらなーって思って。
 俺、重宝されたんだぜ。元々の仕事柄人の話きくのは苦にならないし、そういうコトに興味ないから、入れ込みすぎて「商品」の娘と間違い起こす心配ないし」
 アカイトは、世界が決して綺麗なものではないことを理解しながらも、人の中にある善意や優しさを一途に信じているところがある。これは、私には真似ができない。
「貴方は、優しいですよね」
「優しいかぁ? 俺」
 率直にそう告げると、照れたようにぷいと後ろを向いてしまった。
「で、そこそこうまくやっていたんだけど、俺は商品じゃねぇって言ってんのにしつこく言い寄ってくる客に辟易したんで辞めてこの店にきたのさ」
 なるほど。確かにアカイトの引き締まった肢体は男でもいける者にとっては充分な色気を感じることだろう(ぶっちゃけいいケツだと思いますっ)。本人は性的な行為に全く興味がないわけだが。

 店を閉めて片付けた後、アカイトは充電ケーブルを手に何か考えているようだ。
 部屋の隅には布団が畳んで置いてある。スリープモードで充電をする場合、普通に座った状態で充分なのだが…見た目がかわいそうに見えるとか人間と同じ扱いをしてやりたいと布団やベッドを与えるマスターも多いという。恐らく支倉神父は後者だったのだろう。
 私も最初のうちは自分専用のを使っていましたけどね、今はマスターと一緒に寝ているので必要ないんですけど。
「敷かないんですか、布団」
「え、えと…」
「布団に入って寝た状態で充電しているんでしょう。よくあるパターンじゃないですか」
 アカイトが躊躇っているのは、布団が一組しかないからだろう。
「私は座ったままの状態でもかまいませんから」
「いいのかよ」
「かまいませんよ。電源さえ貸してもらえれば」
 一緒に寝ますか、という発言は流石に自重することにしました。
 アカイトは安心した様子で、シャツを脱ぎ脇に充電ケーブルを挿している…またですか。自然と溜息が出てくる。
「だから、先刻も無防備すぎるって言ったじゃないですか」
「あっ!」
 大慌てで布団を敷いて潜り込んだので、私も上衣を脱いだ。それを目にして、またびくっとしている。
「電源、貸してください」
 そう言ったらほっとした顔をした。
 だから何でそう、警戒しますか。
「お、おやすみっ」

 それにしても、アカイトと呼ぶのは何か違う気がする。でも、アカイコだと安易ですよねぇ。顔なじみの人には「妹」だと言い訳するんだったら別の名前で呼ばなくてはならないし…あ、そうだ。いい呼び名があったじゃないですか。

「おはようございます、セシル」
 再起動したアカイト…セシルに挨拶すると、戸惑った顔をした。
「何でその名前を知ってるんだよ」
「神崎神父がそう呼んでいたじゃないですか」
「あー…」
「由来も聞きましたよ。いい名前じゃないですか」
 神崎神父のことを話題に出すと、さらに不審げな顔をする。
「面白いかたですねぇ、神崎神父は。話していて飽きませんよ」
 まあ、あの人と親しくなったのは自分でも不思議だとは思うけれど。不倶戴天の仇敵となる可能性のほうが高かった気がしますしね。
「あの人を親友だと思っている貴方も、貴方を親友だと思っている神崎神父も、どちらも羨ましいですよ」
 二人は揺ぎ無い信頼と尊敬で結ばれていて、性愛とは違った意味合いでの深い愛情を感じる。こんな真友であり心友である「友」を持てるというのは、人として幸せなことだろう。
「以前にも言いましたが、私は貴方を友人だと思っているんですよ?」
 そう言うと、セシルはちょっとほっとした顔をした。
「じゃあ、さっさと服着ちゃって下さい」
 上衣を掴むと部屋の外へ出て行く。本当に、男として信用されていませんねぇ。

 こちらが少し身動きするだけで、びくびくするのはいかがなものか。何故ここまで怯えているのだろう。過去に何かあったらしいことは知っているけれど…
「お店を開けるのは夕方からなんですし、どこかに出かけます?」
「え…えーと…きょ、今日はやめとく。明日は、どう?」
「そうしましょうか」
 そう言って、手を伸ばすと身体が硬直している。
「もう少し、凝った結い方をしてもいいんじゃないですか?」
「だってそんなの、やったことないし」
 髪に触れながら言うと、拗ねたような答が返ってきた。
「編込みとか入れましょうか。リンにやってあげているんで得意なんですよ」
「じゃあその腕前、見せてくれよ」
 強張った顔で言うので、「失礼します」と言って束ねた髪をほどいた。
 そっと髪を梳いていると、時々びくりと震える。怯えられるのは心外だが、身構えている様子は何だかかわいい。
「出来ましたよ。我ながらいい出来ではありますが、こうなると少し物足りないですね」
 そう言って、リンに借りたリップグロスのパレットを取り出した。
「リンが貸してくれたんですが」
 といいながら顎を掴んで上を向かせると、ひどく怯えた顔をした。これは苦笑いするしかない。
「別に、妙なことをするつもりはありませんよ。リンがリップグロスを貸してくれたので」
 あからさまにほっとした表情を浮かべている。リップグロスを塗ってあげている間もひどく緊張した様子で、見ていて楽しい。
 それにしても、髪型とグロスだけで随分と違って見えて、女の子というのは化けるものだとつくづく思う。
「へぇ、いいじゃん」
 鏡を覗き込んだセシルも、素直に感心している。

 昨日同様、目の前にエタノール洗剤の入ったグラスが置かれた。
「もう少し中身、何とかなりませんかねぇ」
 苦笑いしながらそう言うと、「別にダミーなんだからいいじゃん」という答がかえってくる。ほんの少し、緊張が解けたようだ。
 そこにドアの開く音がした。
「いらっしゃ…」
 セシルの声が強張った。
「本当に、赤毛野郎がいねぇな」
「カノジョさあ、奴の妹かなんか?」
 見るからに軽薄そうな連中が馴れ馴れしくセシルに話しかける。しかし「赤毛野郎」に対しての好意は微塵も感じられないどころか、悪意を感じる。
「そうだけど」
「ふーん。かわいいじゃん」
「あいつ、いつ帰ってくんの?」
「どうせ、客なんてこないんだからさ、こんな店。俺らと遊ばねー?」
「いい《ネタ》あるぜ」
 なるほど。アカイトが不在で、留守番を女性一人でやっているという話をききつけて、やって来たのだろう。
 彼らの下品な思考の中では、セシルをカウンターから引っ張り出してドラッグを打って輪姦する計画が繰り広げられているといったところか。
 私は手にしたグラスの中身を一気に飲み干すと、わざと大きな音をたててカウンターに叩きつけた。
 だ ん っ !
「もう一杯、いただけますか?」
 静かにそう告げる。連中の視線が私に集まったので、目に殺気を込めた。
 こんな連中に、私が睨み合いで負けるわけがない。
「じゃ、じゃあねー」
「そのうち遊ぼうぜ」
 そそくさと出て行く連中に向かって、セシルは「おとといきやがれ」と呟きながら中指を立てた。
「助かったよ」
「そのために、ここに座ってるんですからね」
 そう言うと、セシルはショットグラスにストラスアイラを注いで私の前に置いた。
「ほら、口直しに。俺の奢りだから」
「どうも」
 笑いながらショットグラスに口をつけたが、ここでふと悪戯心が頭をもたげてきた。
「でも、口直しだったらこっちの方がいいんですがね」
 と、立ち上がって軽く口付けた。
 暫くの間呆然としていたが、負けるもんかと言いたげな顔になった。
「こっちの方がいいんだ?」
「はい?」
「口直し」
 そう言って、顔を近づけてきた。何なんですかこのかわいい人は。
 ただ触れ合うだけのキスをした。
「その気もないのに、自分からこんなことするもんじゃないですよ。
 そんなかわいいことをされたら、それ以上のことをしたくなるじゃないですか」
 これは、本心だ。かけひきを楽しむ余裕がなくなってきそうで。

 そして就寝時間、やっぱりセシルは挙動不審だった。
 お互いに半裸の状態になっているのがやはり気になるらしい。
「お、おやすみっ」
「…おやすみなさい…」
 たとえ冗談でも、額あたりに「おやすみのキス」をしたりしたら、悲鳴をあげて逃げることはうけあいだ。

 今日は店を開ける前にセシルを外に連れ出した。
 現在、チバ・シティでデート中です。手なんか繋いじゃってます。恥ずかしそうなセシルがかわいいです。
「お前さぁ、こういうの楽しい?」
「楽しいですよ。女の子をエスコートするのは好きなんで」
 そう言ったら、実に複雑そうな顔をした。
 その身構えっぷりについつい弄ってしまうけれど、まずいな余裕なくなりそう。すごくかわいい。

 店に戻って開店準備を始めたのだが、「あれ?」とセシルが声をあげた。
 なにぶん古い建物なので、何かしらの配電関係のトラブルがあったらしい。
「ちょっと見てくる」
 と、セシルは配電盤のある地階に向かった。
「……」
 おかしい。
 ちょっと見てくる、だけのはずなのに遅すぎる。
 単に直すのに苦労しているだけだったら手伝えばいいだけのことだ。行ってみよう。
 薄暗い階段を降りていると。
「…!」
 今聴こえたのは、悲鳴に違いない。私は一気に階段を飛び降りた。

 昨日のチンピラが彼女を抱きかかえて身体を撫で回しているのを見て、私は迷わず腕を振り上げた。
 顔面に掌底を叩き込んでやる。鼻骨が潰れ血が飛び散ったが知ったことか。
「な! こいつ…!」
 仲間が倒されたのに悠長なことだ。あまりにも遅すぎる。どいつもこいつもワンアクションで倒れるあたり、小物もいいところだ。
「様子を見に行っただけのはずなのに遅いので、ちょっと心配になったんですよ。間に合ってよかった」
 床に崩れ落ちているセシルを助け起こし、肩を貸してやる。
「リンがこの場にいたら、全員殴り殺されていたでしょうよ」
 私だってそうしてやってもよかったですが、不殺を信条としているセシルの手前、手加減してあげました。
「…たすけてくれて、ありがと…」
 呂律がまわっていない。
「当然のことをしたまでです。…何かされたんですね?」
「電子ドラッグいれられた」
 まずい! 私はセシルを抱きかかえると、階段を駆け上がった。
 仕事柄、この手の処置は慣れている。
「処置が早かったんで、AI基幹部への影響はないですよ。効果自体も、36時間もすれば消滅するでしょう」
 力なく横たわるセシルに声をかけてやると、彼女はよろよろと起き上がった。
「起き上がって大丈夫なんですか…え?!」
 倒れこんだ…わけではない。何故?! 彼女のほうから唇を重ねてくる。
 思わず舌を絡めてしまった。
「ふぁっ…」
 互いの唇の間を唾液の糸が伝っている。
「大丈夫じゃないじゃないですか」
 私の膝の上のセシルは、ものすごく淫らな表情を浮かべていた。
「正直、困りますよ。ドラッグのせいでおかしくなっている状態の相手とするのは主義信条に反するので」
 たとえその時はよくても、ドラッグの効果が消えた後で酷く傷つくことになる。
「今のあなたは正常な状態では…わっ」
 油断していた。押し倒され、馬乗りに乗られてしまった。
 はたしてこれはドラッグのせいだけだろうか。冷たい笑みを浮かべた彼女が何故だかとても恐ろしい。
「何やってるんですか。らしく、ないですよ」
「俺らしい、ってどういうのさ?」
 セシルは服を脱ぎ始めた。脱ぎ終わると、私のズボンも引きおろしてしまう。
 ああもう、こうなったら自棄です。
「本当にもう、知りませんよ」
 起き上がるとセシルを組み敷いた。彼女は嬉しそうな笑みを浮かべている。
 脱ぎながら、耳から首筋へ、鎖骨を伝って胸へと舌を這わせる。
「ぁんっ…ぁぁっ…」
 かわいい声があがった。
「かわいいですよ、セシル」
 そう囁いて口付ける。おずおずと舌が侵入してきたので甘噛みしてやると身を震わせた。実に素直な反応だ。
 全身余すところなく撫で、口付ける。もう少しかわいい反応を楽しみたいけれど、こっちがもたないというか余裕がない。
「ゃぁっ、もうっ…」
 充分濡れているそこに指を挿れると、甲高い悲鳴をあげた。濡れているとはいえ、まだきつい。ひくつくそこを、舌で優しく拡げてやる。
「力、抜いていて下さいね」
 快楽に震える脚を抱えて、その内部へと侵入した。
「ぃぎっ…!」
 破瓜の痛みにセシルが悲鳴をあげた。こればかりは仕方がないが、なるべく優しくしないと。
 全部入ったので息をつきながら見下ろすと、切羽詰った瞳でこちらを見上げていた。
「あのさ…俺のこと、好き…?」
 その顔と声があまりにもかわいくて、自然と笑みが浮かんだ。
「好きですよ、セシル」
 しかし彼女の顔が悲しげに歪んだ。何故? 涙が一筋流れている。
「辛いですか」
 抜こうとすると、きつく締め付けられた。これは痛い…!
「っつ…力、抜いてください」
 苦悶の声をあげた私は、目を疑った。勝ち誇った顔…もしかしなくても、わざとですか!
「今だけは、俺だけのお前でいてよ」
 ああ、そうか…!

 以前から薄々感じていた。アカイトは、私に誰かの面影を見ているということを。
 アカイトが必死に焦がれ、しかし恐らくはその手に抱くことは決してなかった彼もしくは彼女への思いが、今こうして狂わせたのか。
 その痛みを想像すると我がことのように切なくて苦しくて、私は今だけは「誰か」の代わりになることを決めた。

 セシルの手を取り、背中に回させた。
「辛かったら、爪を立てていいですから」
 そして、耳元に口を寄せて囁いた。心のそこから…
「愛しています」
 その言葉と共に、深く突き挿れる。
「あぁっ!」
 苦痛と歓喜のないまぜになった悲鳴とともに、細い身体が勢いよく撓った。
「ぁあ…カイト…すき…」
 返答の代わりに優しくキスをした。そして、そっと囁く。
「誰の代わりにしているのか…わかりませんが、今だけは、私が、あなただけの私ですから…」
 だからいくらでも私を貪っていいですから。
 ごめんなさいマスター、今だけは身体だけでなく心もこの人に捧げたいです。今だけですから。
スポンサーサイト
【2009/04/03 00:00】 | KAITO-SNS補間 | トラックバック(0) | コメント(0) |
<<プレイヤードールEX / 甘い蜜の部屋 | ホーム | プレイヤードールEX / セシル支倉アカイトの憂鬱 完結編>>
コメント
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://akasyamamimi.blog66.fc2.com/tb.php/57-5c264cc0
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
酒とカレー粉の日々


酒と辛いものを愛するヲタクな劣等遊民・紅沙まみみ(あかしゃ・?)のダラダラな日々。酒とカレー以外では、峰倉かずや作品・チャンピオン系作品・魔法先生ネギま!とVocaloidの話題が多し。

プロフィール

紅沙まみみ

Author:紅沙まみみ
 紅沙は「あかしゃ」と読ませます。
 酒と辛いものが好きな劣等遊民。初めてBL萌えしたのは幼稚園の時、「宇○鉄○キョー○イ○」を観て、という筋金入りのダメ腐女子。
 心の広い配偶者と息子2人(愛称は仔豚ちゃん)に恵まれるも、ダメ人間っぷりに変わりはなく。
 好きなビールはヱビス。煙草はアークロイヤル。一応清水エスパルスのファン。最近ではすっかりニコ厨。
ツイッターID:m_akasya

連絡等は mamimiあっとlive.jp まで。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。