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プレイヤードールEX / 永遠なんてしらない
 当初の予定では今回で終わりのはずでしたが、一番書きたかったところが予想以上に長くなってしまったのでその手前でいったん切りますのです。次回最終回となります。
 前回やっとクオアカのターンに入った…と思わせて、今回はカイトさんが自重してません。




#4

「あのさ…、話したくなければ話さなくっていいからな」
 そう言ってくれたレンに、俺は黙って肯いた。
 帰ってから無言で部屋に引きこもっている俺に対し、レンとおいちゃんは最低限の気遣いで放っておいてくれている。
 
「えっと、今ちょっと…」
「わかってます。その件で来たんですから」
 この声は…カイトが来たのか。
「ちょっとお邪魔しますよ」
 と言いながらノックもなしに入ってきやがった。
「大体のことはマスターから聞き出しましたがね」
 聞いたのか、眞也のことを。



 眞也の話題が出たのはほんの偶然だった。
「名前は出さなかったけれど「大事な友達」って言っていたから…多分あれは、お前のことなんだろうな」
「何?」
「お前、親父と最後にあったときに何かあったのか」
 そう返されて、言葉に詰った。話せるもんか、あんなこと。そんな俺の様子を見て、桂は納得したらしい。
「…あったんだな…「ひどいこと」をした、と言っていたよ」
 確かに客観的にはそうかもしれない。だけど俺は、あの時拒めなかった…いや、拒まなかった。その時点で眞也を責めることはできない。
「どんな「ひどいこと」をしたのかは知らないけれど、とんでもなく身勝手な理由ではあるよな…」
「理由って、何だよ」
 今更ではあるが、眞也の行動の真意は知りたいと思った。
 桂はほんの少し逡巡したが、意を決したようだ。
「…お前に、壊れてほしかったんだよ」
「…はぁ…?」
 何だよそれ。
「殺してもらいたかったんだ、大事な友達…つまりお前に。だから壊れてしまえばいいと、思いつく一番酷いことをしたと言っていた。それが叶わなかったから、その役回りは俺にまわってきたんだがな」
 身勝手だな、本当に!
 この感情は怒りだろうか哀しみだろうか憎しみだろうか。気がつくと、桂に飛び掛っていた。本気で殺りにいっていた。いや、桂を殺したかったんじゃない。

 あの時、俺の中では確かに桂と眞也が重なっていた。



「あなたは、マスターのお父さんを恨んでいるんですか」
「いいや」
 で、お前は何しにきたんだよ。
 そっけなく答えた俺の腕をカイトはつかんだ。
「ちょっとつきあってもらいましょうか」
「ちょ…」
「何日も引きこもってうじうじとやさぐれているのも、どうかと思いますんで。レン君、あとはよろしく」
 そう言って強引に俺を引っ張っていくこの方角には…東京カテドラル(東京大司教区の司教座聖堂。余談ですがここの2009年現在の信徒総代は麻生太郎)が、ある。
「今の時間帯だとあっちでお勤め中ですから」
「駄目! 駄目だ!」
 この状態で、どのツラさげてミカエルに会えるか。
「何言ってるんですか。凄く心配してましたよ?」
 だろうな。でも…
「そんなに嫌なら、ちょっと寄り道しますか?」
「はい?」

 で、そのへんのラブホに連れ込まれて手際よく脱がされたりして。
「寄り道ってこれかよっ」
「神崎神父がはっちゃける時、「後で告解(懺悔)するから問題ない」ってよく言いますよね。というわけで、思いっきり汚れてしまいなさいよ」
 どういう理屈だ。って、こいつがこの手のことを「汚れ」とか言うなんて。
「マスターは「ひどいこと」に関して気付いていないようですが、私には何となく察しがつきますよ。…以前、口走ってましたね。「これ以上俺を汚すな」って。あれは、そういうことだったんですね」
 淡々と語りながら、実に手際よく縛りいれてるし。
「ちょっと待て、縛りはやだっ」
「えー。一度これ、貴方にやってみたかったんですよ。貴方、身体柔らかいですからねー」
 と、背中側でひとつに纏められた俺の手足に天井のフックにかけられたロープを結びつけた。
「駿河問い、っていって江戸時代に駿河国の奉行所で編み出された尋問テクニックなんですけどね」
 吊るされた。うわーこれ、背骨に思いっきり重心がかかって辛いぞ。生身の骨だと折れかねない。苦痛と共に背骨が折れるのではという恐怖を感じさせて、なるほどこれは効果的な尋問テクニックだ。って、感心してる場合かよ!
「一…度、やっ…て満足…した…なら外せよっ」
 マジでこれはキツい。
「ぐぁっ」
 背中に足を乗せられた。折れる! 折れるってば!
「でも、この苦痛に酔ってもいるでしょう?」
 呻く俺に対して、カイトは断言した。
「貴方と私に共通していて神崎神父にはない点といえば、こういうところですよね。そう、ほんの刹那のエッジ(限界)ぎりぎりの境地を楽しんでいる」
 ああ、確かにそうだな。俺がストリートファイターなんてやってるのも、エッジぎりぎりの一瞬を求めてだ。
「貴方は諦めているんじゃないですか? 誰かを愛しても、刹那の夢で終ってしまうと」
 そうだよ、俺は置いていかれる。マスターも、眞也も…
「どうせこの世に永遠なるものなんてないんです。貴方の精神的支柱であるところの神なる存在だって、信じている者がいなくなればそこまでです。でも、それが何だというんですか。現に神崎神父は存在しないなら「ある」と信じさせればいい、と開き直っていますしね。信じられなければ刹那の幻を追い続ければいいじゃないですか」
 カイトの足が離れた。もう限界だったから、たすかった…
 吊るされた身体が降ろされる。
「まあ、こうやって貴方に遊んでもらうのもこれが最後になりそうですし」
 意味不明のことを呟きながら、力の抜けた俺にカイトがキスをした。


「やっぱり行かなきゃならないのかよ」
「心配させたんですからね、駄目ですよ逃げちゃ」
 散々やった後、やっぱりミカエルの下へ引っ張られることに。
「連絡してみたら、受け持ちの教会に戻ってミサをしているそうですから」

 着いたときにはまだミサが終っていなかったので外でぼーっと待った。
「何だってこう、自分のことに関しては鈍いヒトばかりなんでしょうかね。まあ、私も他人のことをとやかく言えないわけですが」
 カイトがぽつりと呟いた。だからなんでこう、わからねーことばかり言ってるんだよ。
「神崎神父もね、意思が強すぎですよ。私もすっかり騙され続けました」
「さっきからお前、何の話をしているんだよ」
「そのうちわかると思います」
 そうこうしているうちにミサが終って、信徒の皆さんが帰途につきはじめた。年配の御婦人がチャラいなりをした俺を胡散臭げに見ている。
「ほら、いきますよ」
 足がすくんでいる俺をカイトが強引に促した。

「あ、セシルさん!」
 助祭のヨアヒムがオルガン用の楽譜を抱えて駆け寄ってきた。
「よかったー…このところ、どういうわけか機嫌が悪いので困ってたんですよー…」
 誰の、とはきくまでもない。
「ちょっと言ってあげて下さい。セシルさんの言うことなら素直に耳を傾けるんですから。じゃあ僕はこれで」
 と、逃げるように礼拝堂から出て行った。あの様子じゃあ、相当なモンなんだな。誰もいない礼拝堂の奥で佇むミカエルは、表面上は平静に見えるんだが。
「あ、えーと…」
「さっきまで彼としてました」
 カイトの奴、しれっと何てコト言いやがる! 案の定、ミカエルの眉間に深い皺が。
「セフレとしては実にいい相手なんですよねぇ。私も特定の相手がいるヒトに手を出すような真似はしたくないんですが、その点彼はフリーですからね。何の問題もありませんからね」
 俺が絶句しているのをいいことに、何てことを。
「さて、じゃあ私はこれで。…アカイト、貴方の強さに今は感謝しています。お陰で私は、マスターに出会えたんですから」
 言うだけ言うとカイトは踵を返した。

「あ、あのさ…」
 残された俺が言葉に迷っていると、セシルが俺の腕を掴んだ。
「ちょっと来い」
 告解室(懺悔用の小部屋)に連れて来られた。まあ、当然だよな。
 と、思ったら何でお前が告解する側の席に座るんだよ。
「逆じゃないのかよ」
「俺は、嘘つきだからな。今までついてきた嘘について、話そうと思う」
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【2009/08/06 16:12】 | 二次創作 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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酒とカレー粉の日々


酒と辛いものを愛するヲタクな劣等遊民・紅沙まみみ(あかしゃ・?)のダラダラな日々。酒とカレー以外では、峰倉かずや作品・チャンピオン系作品・魔法先生ネギま!とVocaloidの話題が多し。

プロフィール

紅沙まみみ

Author:紅沙まみみ
 紅沙は「あかしゃ」と読ませます。
 酒と辛いものが好きな劣等遊民。初めてBL萌えしたのは幼稚園の時、「宇○鉄○キョー○イ○」を観て、という筋金入りのダメ腐女子。
 心の広い配偶者と息子2人(愛称は仔豚ちゃん)に恵まれるも、ダメ人間っぷりに変わりはなく。
 好きなビールはヱビス。煙草はアークロイヤル。一応清水エスパルスのファン。最近ではすっかりニコ厨。
ツイッターID:m_akasya

連絡等は mamimiあっとlive.jp まで。

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